とある、50歳近い女性作家のエッセイに「こんな歳になるまで、自分のベクトル(生きてゆく方向)が定まらないなんて、自分でも驚いた」とあり、ああやっぱりそうなのね、と思う。わたしも「このくらいの歳になれば、生きていく軸みたいなものが定まっている…

高架を走る特急に乗り、帰り道。ipodからはちょうど斉藤和義の「歩いて帰ろう」が流れてきて、良いタイミング。まぁ、歩いて帰るわけではないが。しかも、この歌、軽快なメロディーとは裏腹に、実はちょっと追い詰められてる話だ。最近、死んだ人のことを思…

今年も9月14日がきて、9年目に突入した。わたし自身に限定すると、9年前に彼が亡くなってから、一体何が変わっただろうか、と思う。ぐちゃぐちゃだった最初の数年の後、確かにわたしは「新しいわたしになった」と感じた。しかし、今は、実はたいして何も変わ…

随分久しぶりに、高校の同級生の夢を見た。目が覚めて、ぼんやり数えてみると亡くなって9年目で、明日は月命日なのだった。彼の夢はたまに見るけれど、今朝の夢は本当に久しぶりで、「ああ懐かしい」と思えないほどリアルだった。表情とか、言葉づかいとか、…

またまた、「こんな現実いやだわいやだわ」という事態が襲ってきて、「どこかに逃げたい」と思った瞬間、世界の果てまで行っても現実であることに愕然とする日々。どこまで逃げても、わたしはわたし以外にはなれないし、あなたの人生とわたしの人生、取り替…

通い続けている病院のエントランスへと続く道には大きな桜があって、その下にはベンチが数個並んでいる。桜散るなか、そこで外来患者やサラリーマン、医療従事者がコーヒーを飲んでいた。文庫本片手のひと、話し込むひと、ぼんやり処方箋を待つひと。近くの…

そして、春が来る。春が美しいのは、歌のなかだけ。わたしの春はいつも辛かったり、切なかったりする。努力すれば必ず報われるとか、夢は叶えるためにあるとか、そういった類のことは信じられなくなって、「はて、それじゃあどうすればいい?」というところ…

論文書くのにも大概飽きてきたので、お鮨を食べに行く。困ったときや嫌になったときはだいたい、お鮨を食べているような気がする。今日は玉子焼きのおいしいところへ行き、マグロやら何やらを一通り食す。美味し。帰ってきて加賀乙彦『科学と宗教と死』、お…

実名をさらして利用するツール、ブログやツイッター、Facebookがここまで色々と知り合いの間に普及すると、たまに知りたくないことも知ることになる。●●に関してほんとはこんなふうに考えていたのかー、とか。どんなに抽象的に書かれていたとしても、読めば…

解けないパズルのよう。自分の論文を直す日々。すでにひとつひとつのパーツはあらかたできていて、残るはそれを論理的に結論に向けて組み合わせるだけなのだけど、それがなかなか、できない。まるで、パーツは、はめ込む場所が見つからないピースのようで、…

こないだ手伝ってもらった学会の収支が合わないから、と言われて呼びだされる午後。でも、わたしはそもそも、その学会の会員じゃないし、ちょっと手伝っただけなのだから、収支が合わない、と言われても。結局教授に言われるまま、帳簿と通帳をにらめっこす…

指折り数えて、4日ぶりの外出。といっても、大学の事務所まで。ここ数日は部屋のなかで、学部生の試験答案採点やら事務処理やらを済ませた後、自分の論文の手直しやら加筆やらをぼんやりと進めていたら、気づけば4日もひきこもっていた。たった4日なのに基礎…

お昼から学部生の試験答案採点。今年度はできの悪い答案ばかりで、採点は楽ちんだった。喜んでいいのか、悪いのか。その後、近くのカフェにてコーヒーを飲む。手帳にここ数日の収支を記憶を手繰って記すも、合わない。1月は贈り物や付き合いが多く(レシート…

大人になって良かったなぁと思うことは、ひとりで夜更けに出歩いていても、誰にも怪しまれないこと。童顔のわたしでも、さすがに高校生には見えない。気分が冴えないときの、夜の散歩が好きだ。特に、冬は良い。キンと寒いなか、マフラーに顔をうずめてズン…

午後から本格的に、明日報告する用のレジュメ作成。自分の考えを書くのは比較的楽だが、大変なのは引用文献の典拠を記す作業で、広くない部屋に資料が散らかり放題になる。今日もそうで、ふと我にかえって辺りを見回したときの驚きようといったら。夜、TMが…

久しぶりに晴れ。洗濯機を2回まわす。午後から大学。まず先輩と会い、頼まれごとを受ける。先輩と別れた後は、授業まで2時間ほど、明後日報告する予定の論題についてレジュメ作り。資料が手元になかったので、あてずっぽうに書き、後で確認するべきことに黄…

近所のスターバックスで勉強。キャラメルスチーマーを初めて頼んだけど、その甘さに衝撃を受ける。あと20分くらいやったら帰ろうと思っていたところに、TM登場。今日は絶対ここにいるだろう、と予測をつけて寄ってみたとのこと。何も食べていないという彼に…

今日も今日とて雪まじりのなか、学部のときの友達とのランチに出かける。外で予定のある日に限って、こういう天気。ベトナム料理を食す。味に敏感な彼女によると、経営者が変わったかも、とのこと。確かに食後のベトナムコーヒーが若干苦味が強くなったよう…

雪のなか、学部のときの先生と待ち合わせてランチ。高級ハンバーガーを食す。帰宅後、PCでメールを3本書き、来週1週間分の食料と、いつも利用している通販サイトで緑のスキニ―パンツを注文する。今では、食材までもネット経由で入手するわたしは、周りの人間…

なんだか色々あった。吐血したから、と連絡をうけて帰った地元で、小中の同級生が鬱病になったと聞き、昔チェロを教わっていた先生が自殺したと知り、友達からは結婚すると連絡があった。なんだか、人生が色々すぎて、深刻なことさえコメディーに思えてきて…

久しぶりにひとりの夜。同居人は実家に帰り、彼氏は飲み会。わたしより酒が好きなひと。比較対象にさえ、ならぬ。この時期のひとりの夜は嫌いじゃない。布団も軽くなって快適だし、しかも明日は天気も良いらしいから、たぶん、快適に目覚められるだろう。も…

哲学は専攻に近くて馴染みがあるが、やはり個々の思想家との相性がある。わたしにはデカルトが合わないらしく、どうもしっくりこない。いくら読んでも、んーんーんー?っていう感じ。GWなので彼氏の実家とわたしの実家に行く。彼氏の実家ではもちろん気を使…

来るべき地震に備えよ、と言われる。水もためてるし、長持ちするパンも買い置きしてあるし、ヘルメットまで買ったというのに、更に何を?と思ったら、ちゃんとした防災用品一式を注文するように、だそうだ。地震は怖い。それはもう、怖い。震度6強に6分ゆら…

また靴を買った。黒のメッシュのパンプス、夏用。靴って手持ちの服に合わせようとすると無限にいる。色、素材、かたち、ヒールの高さ。最近は、服に靴を合わせようとするのがそもそも間違いなんでは?と思うようになった。持っている靴に合わせて服を買えば…

彼氏が夕ご飯を食べに来る、というので、買い物に出た。今日は文句なしの陽気で、気持ち良かったので駅前まで行く。駅ビルで靴下を、スーパーでネギなどを買う。照明を落としたお店にも慣れてきた、というか、これで全然不便じゃない。色々な人がいうように…

4月になって、日常を意思で取り戻すことにする。しかし、地震が明るみに出した色々な亀裂はちゃんと埋まるのだろうか、と少し心配。たとえば、原発が怖くて東京から逃げた人と、逃げなかった人逃げられなかった人との間の亀裂。何にせよ、今までどおり、には…

あるところを卒業することを寂しいな、と思っていたら、職員さんにも「寂しくなるなぁ」と言われて、わたしはますます寂しい。かといって、いつまでもいられる場所じゃない。たまに、人との出会いは喫煙所のようなものだと思う。わたしという喫煙所にたまに…

彼氏と美術館に行く。帰り、高架の電車から雪混じる街を眺めて、ぼんやりと、しかし強く、わたしはやはり、わたしの人生をちゃんと受け止めたい、と思う。いつか、この人生と現実からはたとえ世界の果てまで行っても逃げられない、という諦念以上の気持ちで…

宮崎に赴任している友達から久しぶりに電話。彼は今日は1ヶ月ぶりの完全オフだとか。「今の世の中、正社員になれたらなれたで過労死寸前」とか、ふたりでごにょごにょ話す。最後に、いつものように、お前も博士論文がんばれよーと言われて、最近研究のほうは…

うまいかない日々。今、自動車教習所に通っているのだけど、うまく曲がれぬ(致命的)。しかも、彼氏と妹と一緒で、いつも一緒で、なんだかもう「いい加減、ひとりにしてくれませんか」という感じ。うまいかないのはもちろん運転だけじゃなくて色々あるのだ…