彼氏と美術館に行く。

帰り、高架の電車から雪混じる街を眺めて、ぼんやりと、しかし強く、わたしはやはり、わたしの人生をちゃんと受け止めたい、と思う。いつか、この人生と現実からはたとえ世界の果てまで行っても逃げられない、という諦念以上の気持ちで、人生を受け入れたいと思う。あの傷もこの傷もないよりはましだったと思えるように、そして傷自体を慈しめるように、なりたい。苦しみも辛さもやるせなさも、愛していけるように。