久しぶりにひとりの夜。

同居人は実家に帰り、彼氏は飲み会。わたしより酒が好きなひと。比較対象にさえ、ならぬ。

この時期のひとりの夜は嫌いじゃない。布団も軽くなって快適だし、しかも明日は天気も良いらしいから、たぶん、快適に目覚められるだろう。もちろん、うまく眠れればの話だけれど。それでも、昨日ほとんど寝てないのだから大丈夫だろうと思う。

夕方、日が落ちると涼しくなる風を身体の右側に受けながら、歩道を歩いた。大学帰りの駅に向かう学生の流れを逆行する。ipodからは「涙そうそう」が流れて、相変わらず身にしみた。この歌は死んだひとを思い出してもいいし、別れた恋人を思い描いてもいい。普遍性のある歌は、歌が売れない時代でも売れる。大切な誰かを失うことが一度や二度あるのが哀しいけれど人生だ、と再確認する。そして、世の中の大半のひとが、涼しい顔の裏にその喪失感を抱えている、ということ。「あなたの場所からわたしがみえたら 会えると信じ 生きていく」