論文書くのにも大概飽きてきたので、お鮨を食べに行く。困ったときや嫌になったときはだいたい、お鮨を食べているような気がする。今日は玉子焼きのおいしいところへ行き、マグロやら何やらを一通り食す。美味し。

帰ってきて加賀乙彦『科学と宗教と死』、お風呂のなかで山本文緒『再婚生活』を読む。論文を書いているときに小説を読んでしまうと、論文の続きをするのが面倒になる傾向があるので、執筆中はこの類が望ましい。
何かの宗教を信じている人には大概、理論を超えて「分かる」瞬間があるらしい。加賀もそうらしいし、かのパスカルも「知るということと、信じるということには大きな違いがある」というようなことを言っている。わたしにもそういう瞬間がきてほしいが、なんだか当分、そんなときはこないような気がしている。しかし、生きている間に一度は、信者という生も体験してみたい。

実名をさらして利用するツール、ブログやツイッターFacebookがここまで色々と知り合いの間に普及すると、たまに知りたくないことも知ることになる。●●に関してほんとはこんなふうに考えていたのかー、とか。どんなに抽象的に書かれていたとしても、読めばわかるときがある。イヤダナ、と思う。だから、直接面識がある人のツールはできるだけ見ないようにする。それでときどき、話題から取り残されるときもあるけれど、「ほんとはそうだったんだ…」と思うよりはいいかなぁ、と思ったり。わたしは直接、あなたの口から聞きたい。

ところで、いまだパズル作成中。日々、まとまってきた感はあるものの、まだまだですなぁ、という感じ。しかし、ここまで来ると論文作成がほんとのゲームのように思えてきて、ちょっと楽しくなるという変な心境。締め切りが過ぎて、わたしの手を離れたらぽかーんとしてしまうこと間違いなし。

解けないパズルのよう。自分の論文を直す日々。

すでにひとつひとつのパーツはあらかたできていて、残るはそれを論理的に結論に向けて組み合わせるだけなのだけど、それがなかなか、できない。まるで、パーツは、はめ込む場所が見つからないピースのようで、論文全体はピースがところどころ欠けた未完成のパズルのよう。

夜になると、PCを睨め続けていたせいで目が相変わらずしょぼしょぼになるし、肩もがちがちになる。そのうえ、頭も働かなくなって、字面が意味あるものとして、頭に入ってこなくなる。脳だけが、疲れている。何も考えられなくなって、電話をかけてきたTMに、「おいしいものしか食べたくない」と言って、苦笑されたりしている。

こないだ手伝ってもらった学会の収支が合わないから、と言われて呼びだされる午後。でも、わたしはそもそも、その学会の会員じゃないし、ちょっと手伝っただけなのだから、収支が合わない、と言われても。

結局教授に言われるまま、帳簿と通帳をにらめっこするはめになり、目がしょぼしょぼに。しかも、領収書がない出費がある(!)のだから収支が合わないのは当然でしょ、という、あまりにも当然な結末に陥る。

そして、外に出ると夜。肩はがちがち、目はしょぼしょぼ、で、少しうんざり気味。なんだか最近忙しくて、疲れがたまっていて弱っているせいか、ちょっと涙が出る。3月末まで休めない(書かないといけないものがある)ことを思うと、更に、ちょっと涙。

自分で選んでやってきたことだし後悔もしないけれど、たまに辛くなって、こういうときもある。

指折り数えて、4日ぶりの外出。といっても、大学の事務所まで。

ここ数日は部屋のなかで、学部生の試験答案採点やら事務処理やらを済ませた後、自分の論文の手直しやら加筆やらをぼんやりと進めていたら、気づけば4日もひきこもっていた。たった4日なのに基礎体力が落ちたのか、はたまたお腹が空いていたからなのか、事務所の行き帰りだけで、ぐったり疲れた気分に。歩数計は6000歩弱。

疲れたわ疲れたわ、と思いつつ、炒飯を作って簡単にお昼ごはん。冷蔵庫の中身を思い浮かべながら、今日の夕ご飯は一体何にしたらいいんでしょ、と思う。献立だけでも誰か考えてくれればいいのに。

同居人は朝早くからどこかへ出かけ、TMはおそらく飲み疲れで音信不通。テレビを消したシーンとした部屋で、ひとり昼間からぼんやりしていると、世間から早くも引退したような気分になって、何をするわけでもなく、これも悪くないなぁと思ったりする。

お昼から学部生の試験答案採点。今年度はできの悪い答案ばかりで、採点は楽ちんだった。喜んでいいのか、悪いのか。

その後、近くのカフェにてコーヒーを飲む。手帳にここ数日の収支を記憶を手繰って記すも、合わない。1月は贈り物や付き合いが多く(レシートがない収支)、その日のうちにつけないと、どうしてもこうなりがち。あきらめて、財布に残っている金額だけを書きとめた。

同居人から、今日のご飯は肉じゃがです、と連絡があり、いそいそと帰宅。食しつつ、はて、なんだか最近肉ばかり食べているやも(昨日は生姜焼き)?と気付いたが、今更。魚を食べねば。

大人になって良かったなぁと思うことは、ひとりで夜更けに出歩いていても、誰にも怪しまれないこと。童顔のわたしでも、さすがに高校生には見えない。気分が冴えないときの、夜の散歩が好きだ。特に、冬は良い。キンと寒いなか、マフラーに顔をうずめてズンズン歩くと、身にまとう色々なものをひとつひとつ捨てているような気分になる。昨夜は近所のお寺の前まで行き、煩悩をお寺に投げつけ(気分)、またズンズン歩いて帰った。